新規サービスの立ち上げ方について考える

10年ほど前、私の人生を大きく変えてくれた本があります。

「Little Bets」

今も私の人生の指針となっています。

実に単純明快。

「事業やサービスを立ち上げようと思ったら小さく始めなさい。そして、たくさん勝負しなさい。」

事業というのは自分の全人生をかけてやるもんだ、なんて鼻息荒く生きてきた私が、結構大きなお金をつかって始めたサービスが大コケして、途方に暮れていたときに救ってくれた本です。
以降、事業やサービスを始めるときには、常にこの本に書かれていることを指針にしています。

私の、事業やサービスを始めるときの4大指針はこちらです。

  1. 小さく始める
  2. KPIを設定し、KPI達成/未達成時の次のアクションを宣言する
  3. 自分が好きな、自分だったら利用すると思える、あるいは実際に自分が利用するサービスにする
  4. いちいちめげない

1.小さく始める

何かのサービスを立ち上げようとするとき、すべてのことが準備万端整うことなんてほとんどありません。
にもかかわらず、準備万端にしてからサービスを始めようとするタイプの人がいます。
こういうタイプの人は、いつまでたってもサービスを立ち上げることができず、ようやく立ち上げられたかと思ったらすでに他社が先行してもう追いつけないくらい差がついてしまっていた、なんてことになります。

  • 徹底的に数日間は考える。
  • 考えて、もっともレギュラーな事業スキーム(販売フロー、価格、実務)を構築する。
  • その数日間で思いつかないスキームについては、考えるのはやめて、早々にサービス立ち上げをしてしまう。
  • 想定外のシナリオが発生したら、その時困ればよろしい。なんなら想定内のシナリオだって、その時に初めて困るで良いんじゃないか。(無駄な取らぬ狸はやらない)

とにかく「始めること」が最も大切なことだと思います。

2.KPIを設定し、KPI達成/未達成時の次のアクションを宣言する

「KPI」最近ではあたりまえの経営用語になりましたが、案外自分ではやらない人を見かけたりします。
しかし、これをやらないのであれば、事業を立ち上げる権利はないと思います。
始めるまでは真剣なのに始まったら飽きてしまう人や、都合が悪くなるとこっそりフェードアウトしたりする人、ダメですよー。
事業を始める人はその事業の最後まで面倒を見る責任を持たなければいけません。
ただ、だからといって当初の予定よりも見込みが低ければ、バサリと切る覚悟も持っていなければいけない。

それの根拠が、KPIです。
「立ち上げ3ヶ月で会員登録1000人」、「立ち上げ1ヶ月で問い合わせ3件」、「立ち上げ3ヶ月で単月売上100万円」etc
期限を設定し、それまでに具体的に何を達成するかを数字で示す。
それが達成できなければ、
「サービス終了」、「広告宣伝費ゼロ」、「ヘルプスタッフゼロ」etc
をします、と宣言してサービスを始めなければなりません。

3.自分が好きな、自分だったら利用すると思える、あるいは実際に自分が利用するサービスにする

以前、海外での自動翻訳サービスの立ち上げの依頼を受けたことがあります。
「海外旅行が好きな人向けのサービス」ということだったのですが、かくいう私が海外旅行大好きなので、その私がこのサービスを使うことは絶対にない、と思って、ご依頼をお断りしたことがあります。
自分自身の思い入れや、実際に自分なら使う、というものをサービスにすべきで、そうでないものはやっても成功しないと思います。
困難に直面したときに燃えないし、ユーザー心理が想像できなかったり、シナリオが描けなかったり、ビジネスモデルに矛盾が出てきたり等々、途中でつまずく可能性が高いです。

4.いちいちめげない

失敗から学ぶ。
次に活かす。

あたりまえのことです。

 
ということで、これから新規サービス立ち上げを考えている方、もしいたらぜひ参考にしてみてください。