クリエイティブ部門の人事評価、賞与査定の改善

以前、クリエイティブ部門の人事評価、賞与査定について(評価式)にてクリエイティブ部門の評価について書きましたが、今回はこの評価を運用していく中で出てきた課題や違和感について、およびそれらを盛り込んだ改善について書いてみます。
 
これにそのとき示した評価の項目です。再掲しておきます。
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■評価項目
会社貢献出力:会社として取り組む業務に関する出力、自分以外のメンバーへのヘルプ量
個人出力量:当人のこなした業務の絶対量
個人出力付加価値:出力がどれだけの経済的付加価値を持つか(品質、課題解決、改善、創造、売上貢献、納期)
伝達力・推進力:自身の行動や会話、文字によって、他者や会社全体に対してもたらした貢献(スピード、モチベーション、クオリティ、売上)
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以上4項目なのですが、運用した中で感じた課題や違和感は次のようなものです。

  • 「個人出力付加価値」と「会社貢献出力」、「個人出力量」の意味合いが重なる部分があり、どの評価に入れたらいいか迷う
  • 「個人出力量」は、リモートワークを認めている関係でマネージャーが正しく公平に把握することが困難
  • 「会社貢献出力」は、実際は職種に応じて一部のメンバーにだけ求めているものであり、多くのメンバーにはそれほど求めていない
  • 個人の出力に注目しすぎたきらいがあったため、プロジェクトのチームの一員として協力してプロジェクトのゴールに向かわなければならない場面で、多少の自己犠牲要素を受け容れることを拒否し、自分には関係ないからといった理由で非協力的な行動がちらほらと見られた

そこで次の2点での評価に変更することにしました。

  • 個人成果物付加価値:出力した成果物がどれだけの経済的付加価値を持つか(品質、課題解決、改善、新規性、売上貢献、個人納期)
  • コミュニケーション:案件ごとに、当該案件担当の他メンバーと協力して、どれだけ良いものを迅速につくることに貢献できたか(情報流通、案件推進努力、意見相違の調整努力、納品期間)

360度評価なんて言葉がありますが、「コミュニケーション」評価はまさにそれにあたります。

「メンバー間でお互いに主張し、妥協点を見つけながら、協力してプロジェクトが進められ、結果、達成すべきゴールに到達できたかどうか」

マネージャーとしては結構大変ですが、情報のキャッチアップは、プロジェクト終了後、マネージャーのほうでチームのメンバーそれぞれからそれとなくヒアリングして、個々の評価に組み込んでいく方法しかありません。それをしなければ正しい評価はできませんからね。

仕事というのは、ひとりではできないのだなあとしみじみと反省しつつ、改善をおこなった話です。