営業部門の人事評価、賞与査定について

さて、「組織のマネジメント側の人間がやるべきこと」に続いて、今回は評価についてお話しします。

まずは営業部門の人事評価について。
もちろん会社によって営業部門に何を求めるかは違います。
金額の大きな、それこそ一案件で数億みたいな事業をしている会社では、人脈作りやルート的な営業活動の成果を求めたいと思うだろうし、月額制のWebサービスとかなら、獲得した顧客数を求めたいでしょう。
求めたいものが違えば評価も違います。

今回は以下の条件の企業の営業部門評価について実際の評価式をお見せしたいと思います。

条件

  • 基本的にプル営業。ホームページから問い合わせが来たクライアントに営業するスタイル
  • 単発商品、非定期更新の商材
  • 顧客数よりも売上(&粗利)が大事
  • 半期ごと評価

=実際、ある会社で運用している評価式です================
評価式
評価 =((6,000,000*個人成長係数+4,000,000*目標売上達成率+2,000,000*目標粗利達成率)*戦略係数1)+(改善提案/0.6*戦略係数2)+(ライフワーク/0.6*戦略係数3)+役職給

ただし、新たな要素が生まれて、評価に追加しなければならない合理的な理由があれば、事前説明の上、その要素を評価に加えます。
不要な要素についても同様の手順で削除をします。
 
■言葉の定義
目標売上達成率、目標粗利達成率:
営業の目標値として、売上と粗利を設定します。その目標に対する達成率。
設定は、支払い給与額と地域などの個別事情を鑑みて個々に違う値を設定します。
※この設定値は不公平が生まれないような設定にする必要があって、これもマネジメントの力量次第になるでしょう。

個人成長係数:
(売上評価値合計/前年同半期売上)*(前年同時期の勤続半期数/今の勤続半期数)
勤続半期数が長いほど成長も鈍化することを加味して、勤続半期数が短いほど個人成長係数が低くなるようにする式

改善提案:
改善提案シート(別途改善提案とそれにつけるポイントの表を作ります)の値そのもの

ライフワーク:
ライフワークシート(別途ライフワークとそれにつけるポイントの表を作ります)の値そのもの

役職給:
役職者あるいはそれに相当する者に対して、基本給に役職給を乗せられない場合に、評価として上乗せする

戦略係数1,2,3:
各 0.9~1.1 当人に何を期待し、何を期待しないか、他部門でも発揮できる柔軟性、社内の影響力等、当人に対する経営戦略上の係数
不公平の是正のためにも利用する係数
====================================
賞与額算定式
賞与額 =(当人の評価値*当人の月給)/(「当人の評価値*当人の月給」の部全員分合計)*会社から部に出るボーナス総額(給与は含まない)
====================================
 
これらすべて全社公開します。
公開は必須です。
もともと十分に練られ、あの営業マンには有利でこの営業マンには不利、ということにはならないようにしておきながら、
さらにこれを公開することで、公平性をさらに担保します。
 
いかがでしょうか?
少しはみなさん、特に組織のリーダーや人事担当の方のお役に立てたのではないでしょうか。
自社の組織に当てはめて、公平な評価式を作ってください。
ダイナミックに組織のメンバーの意識が変わるのを目のあたりにすることと思います。
 
以上、営業部門の人事評価、賞与査定について。
次回は制作部門の人事評価、賞与査定についてお話しします。
 
※ もっと知りたい、という方がいらっしゃったらお問い合わせください。
評価式を反映したスプレッドシートやエクセルでの表計算もあり、ご要望なら差し上げることもできますので。

関連記事:
人事評価におけるアイデアの金銭的価値
あらゆるアイデアを評価する
日々の目立たないルーチンワークもしっかり評価する
クリエイティブ部門の人事評価、賞与査定について(客観的指標はあるのか?)