ワイヤーフレームはちゃんと作った方がいい、という話

Webサイトの制作において設計書にあたるものが「ワイヤーフレーム」です。

ワイヤーフレームは、制作前の段階では、お客さんが想像しているWebサイトの像をあからさまにするものとして、それから制作に入ってからは、制作にあたっての最もよりどころになる設計図として、特に重要なドキュメントとなります。

ワイヤーフレームには、デザインの骨組み(コンテンツの配置図)、リンク情報、場合によっては色味やコピーなどデザインフェーズになってから決める要件が記載される場合もあります。
このワイヤーフレームを作る工程というのが非常に大事で、ほぼこの段階で、お客さんがプッシュしたいコンテンツとそうでないコンテンツが明らかになります。というか作り手が明らかにしなくてはなりません。
そして作り手としてそれを踏まえた最良と思うコンテンツの構成、中身、配置、および使う技術をお客さんにメッセージとして伝える工程でもあるのです。また、この工程でお客さんとの密な打ち合わせ、つまりお客さんの持っている漠としたイメージと作り手のノウハウや施策、思いといったものとのぶつかり合い、はほぼ済ませておくことが肝要です。
この一連の工程をちゃんと済ませておくと、次のデザイン制作のフェーズで揉めることはほとんどないはずです。

私の場合、Webサイト制作の依頼があって、なんとなく確度が高そうだと思ったら、もうTOPのワイヤーフレームを作って持って行ってしまう事が多いです。
そのほうがいちいちパワポでそれっぽい提案書を作って持っていくより、話が速いですよね。
パワポでちゃんと提案書じみたものを作って初対面の挨拶としていた時もありますが、今はわりとその辺を飛ばしてしまっても良いんだと思っています。
いきなり本題に入れると、双方にとってメリットがあります。
お客さんはそれを見ながら想像を膨らませていくことができ、作り手としてはその想像を具体的な絵にその場で落としこんでいくことも可能になります。
これによって、お客さんとしては、自分が言っていることが現実的に落としこめるものなのか、要件の大小はどの程度なのか、というのがおのずと見えてきますし、作り手としては、お客さんがどれだけ本気でこの案件を考えているのか、どれくらいの予算でできそうなのか、といったものが輪郭を持って把握することができます。

話もなんだか盛り上がる気がします。
そりゃそうだと思うんです。大小あれど、同じ一つのことに思いを馳せた者同士が会話するわけですから、話題が繋がる部分は大きいと思うわけです。

いいことずくめのワイヤーフレームですが、わりと軽くとらえる人が多く、適当に書いて済ませるような作り手を多く見かけますが、このフェーズはしっかりとおこなっておいたほうがいいです。
お金をもらうことを目的としたただの成果物ではないです。もちろん「やりましたよ」「受け取りましたよ」という取引上の儀式でもないです。
Web制作において、依頼人、作り手、両方を助ける最も優れた設計書がワイヤーフレームです。

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